親の代理婚活について

親の代理婚活

ここ数年、結婚相談所フレンドリーでも、子に代わって親が婚活をする「代理婚活」のご相談を頂く機会が増えているように感じます。
直近の1年間で、ご入会頂いた方の約60%が親御様の代理婚活からのご入会でした。
また、ご成婚された方もこの1年で約70%が親御様や身内の方の代理婚活がきっかけでご入会、お相手探し・交際を経てのゴールでした。

『結婚は家同士の結びつき』と昔からよく言われていましたが、恋愛や結婚について個人の意思が尊重され、「結婚しない」という選択も当たり前になった今、親が子の結婚に介入するのはなぜなのでしょうか。

「結婚はコスパが悪い」

「趣味に充てる時間がなくなる」

「家族を養う責任を負う自信もなく、気楽に生きたい」

結婚に対してネガティブなイメージを持つ声が聞かれるようになって久しく、晩婚化が進んでいる今、独身の子を持つ親たちが励む「親の代理婚活」の需要が伸びているといいます。

未婚のまま生涯を終えようとする人が増えている

今は晩婚化どころか、未婚のまま生涯を終えようとする人が増えており、2020年の統計資料によれば、50歳時の未婚割合は男性が28.25%、女性は17.81%と言われています。

この数値は生涯未婚率とも呼ばれており、男性の3.5人に1人、女性は5.6人に1人が未婚を貫くということです。
また、この数字は年々上がっており、ここ30年で見ると男性は23ポイント増、女性は13ポイント増。

さらにこんなデータもあります。
「いずれ結婚するつもり」と考えている未婚者の割合は1997年以降横ばいだったけれど、2021年は前回調査の15年から男女ともに5ポイント近く減少。
その一方で、「一生結婚するつもりはない」と答えた未婚者は02年以降増加を続けており、男性17.3%、女性が14.6%。

これらは全国的な数値ですが、結婚相談所フレンドリーがある香川県・丸亀市界隈でも同じような感覚に思います。
独身の増加は止まる気配がなく、「うちの息子、娘はどうなのだろうか」、と心配する親御様もいるのではないでしょうか。

そこで出てくるのが「代理婚活」です。

変わりつつある、結婚に対する親子の向き合い方

親の代理婚活は、ともすれば「頼んでもいないのに」と子が反発する恐れもありそうですが、結婚に対しての親子の向き合い方も変わりつつあるようです。

子の了解を得てから臨む、という親御様が9割で、もちろん中には『余計なことをしてくれるな』と子の反対に遭って、泣く泣く代理婚活をやめられる方もいますが、昨今は親子間のコミュニケーションが密になってきているので、共通認識を持って臨む方が増えてきています。

では、なぜ親に代理婚活を頼むのでしょうか。

その理由はさまざまですが、
「仕事が忙しく出会いに時間を割けないから」が多く、そもそも「出会いがないから」「異性との交際経験がないから」と続いていきます。

かつては配偶者との出会い方として主流だったお見合いに対しての意識は昨今、盛り返しつつあり、「配偶者と知り合ったきっかけ」というアンケートでは、右肩下がりだった「お見合い」の割合が10年ほどから増加に転じたと言われています。

では、子世代の若者は実際にどう考えているのでしょうか。

「子に代わって親が婚活することに抵抗感はないの?」「いい年して、人生の一大事を自分で決められないのか」「自立していない」と思われるのではないか、と考えてしまいそうですが、意外にも「そこまで気にならない」と話す方も多いようです。

「母親とは仲がいいので、彼女に何をプレゼントしたらいいかの相談とか、何でも話せます。さすがに(代理婚活を)勝手にやられるのは嫌だけど、情報を逐一共有できているなら全然ありです」

これが大多数の意見とまでは言えませんが、こうした考えを持つ若者は確実にいるようですね。

ひと昔前は結婚するのが当たり前で、『結婚=幸せ』という価値観がありましたが、今はそうではなく、結婚しなくてもいい時代。
婚活を始めるボリューム層であるアラサーの親世代は、その価値観の変化を理解しようとしていて、無理強いはしないという関係性に変わってきているように感じます。

結婚相談所フレンドリーでも、親御様からのお問い合わせ・ご相談は多いですが、それも親御様の独断ではないです。普段から子どもと気軽に結婚の話はするけど、なかなか重い腰を上げない。
それならお母さんちょっと聞いてきてよ、と子どもに言われて相談に来るというケースも最近少しずつ増えています。
親の介入の仕方が昔とは変わってきたのでしょう。

対応を間違えれば親子関係にヒビが入ることも

それでも、価値観の変化についていけない“昔気質”の親御様もいらっしゃいます。
子よりも先に前のめりになって代理婚活を始めてしまっては、トラブルになりかねません。
そうした親は子のためというより、自己満足のために子の婚活をしているケースがほとんどではないでしょうか。

『孫が見たい』という願望や、世間体を気にしたり、結婚相手の条件を押し付けたり、年配になるほど、そうした傾向があります。
親のフィルターを通して見た結婚と子の生き方や価値観を通して見た結婚は違うので、親子が折り合わないケースもあるので注意しましょう。

親子で手を取り合って結婚という目標に向かえるか、親子関係にヒビが入るのか。
親の代理婚活の成否は紙一重でリスクもありますが、それでも親に頼むメリットはあります。

親と子、双方にとっていい点がある

親側のメリットは、親同士が先に会って情報交換をすることで、互いにどんな家なのかがわかっているので、両家の付き合いが円滑になります。
さらに結婚後、親同士が応援し、口を出さず子どもたちを見守るという傾向があります。
婚活の場に出ることは、親にとって想像以上に心理的負担があります。
子の結婚というゴールを見届けることで達成感を得て、その後は干渉の度合いが減り、子どもの家庭とはいい距離感を保つことが多いようです。

当事者である子ども側のメリットは、

  • 結婚相手を自分の親に会わせるというハードルがなく、安心感があること
  • 親が見定めて認めてくれた相手なので、結婚までが早い

嫁姑問題に悩まされることが少なくなることもいい点かもしれません。

子ども本人が能動的であることが大前提

たとえば、学習塾を例にするとわかりやすいのですが、いくら親が子どもの偏差値を上げたい一心でさまざまなセミナーに参加したとしても、本人である子どもが勉強をがんばらなければ偏差値は上がりません。
代理婚活においても、子が結婚についてどう捉えているかを整理し、共有することが大切です。

  • 誰のために結婚するのか
  • 結婚候補の相手がいる場合には、相手のどこにひかれているのか

これらを子自身の言葉で語れるかが重要です。
親は婚活を先導するのではなく、あくまでサポート役です。
これを怠ると万が一うまくいかなかったとき、子が「親のせいで失敗した」と考えてしまうことが起こりがちです。

婚活というのは、恋愛から始まるものとは違い、条件ありきから始まります。
しかし、結婚が目的ではないはずなのに、条件にとらわれてしまいがちです。
その後の夫婦生活のほうが圧倒的に長いのですから、相手をどう思うかを整理して、親子で共有することが大事です。

親子とはいえ、違う時代を生き、人生観も価値観も異なる別人格ですし、結婚に対する捉え方も違います。
子とのコミュニケーション、距離の取り方には繊細な注意が必要になります。

親のNG行動・考え方の秘訣

結婚相手の条件を必要以上に言わない

結婚相手の男性の学歴は有名一流大学でなければダメとか、女性の年齢は30歳までとか、親が頑なに条件を絞るケースは多々あります。
子が婚活を窮屈に感じて、消極的になってしまうことになります。

急かさない

特に30代前後の女性は『結婚』というワードに敏感。
親が焦って急かすと、重荷に感じてコミュニケーションがとりづらくなってしまう恐れがあります

他者との比較をしない

「近所の○○さんは結婚した」、「同級生の××さんは家族が増えた」とか、悪気なく話してしまいがちですが、こうした会話は自分も期待されていると過敏に反応してしまいます。

結婚の意思の有無は第三者に聞いてもらう

結婚しないのかと直接聞くと、子は身構えてしまうこともあります。
親戚や兄弟・姉妹に世間話の流れで探りを入れてもらうほうが、さりげなく聞き出せるかもしれません。

「結婚がすべてではない」という価値観も理解する

先も述べたように、結婚しない幸せが選べる時代ですので、子どもの意思を第一に考えるのが最も重要です。
今、婚活において親は伴走者。
二人三脚を肝に銘じて、「親の代理婚活」という選択肢を考えてもいいのかもしれません。

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